北区アーチェリー協会 
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[2006.10.19] 上海ワールドカップ観戦記1中国支部便り-その4 )

上海ワールドカップ観戦記 1


 アーチェリーのワールドカップ大会が上海で行われると聞き、観戦に行くことにした。

 サンデーアーチャーの私であるが、たまたま、以前広島にいた時に、広島アジア大会のリハーサル大会が行われ、大会運営のお手伝いをしたことがあり、全日本アーチェリー連盟(全ア連)の役員さん方とはお知り合いの関係である。また当時、総務係として、中国、台湾、韓国など海外チームのお世話(空港への送迎やホテルでの案内)などもしたことで海外にもアーチェリーを通じてのお友達が少なからずいるのである。そんな方たちに十数年ぶり会えるかもしれないと考えたのも私が上海に足を向けた理由だった。

 FITA(世界アーチェリー連盟)のHPや全ア連からいただいたスケジュール表によれば、私が観戦する日は、大会最終日で、オリンピックラウンド(70mの勝ち抜き戦)の女子団体、男子個人、団体のリカーブ、コンパウンド部門の決勝戦が行われるとのことであった。このW杯上海大会の参加国31カ国、まるで 2008年に行われる北京オリンピックさながらのアーチェリーのビックイベントである。

 私が暮らす無錫からは列車で1時間半の上海であるが、決勝当日の出発では試合が始まってしまうので、前日仕事が終わってから、上海へ行き、1泊して朝からゆっくり試合を楽しむことにした。日本チームの応援グッズとして、会社から大きな日の丸も借り、三脚、ビデオカメラやデジカメも準備し用意は整った。

 終業後、仕事もそこそこに上海行きの列車に飛び乗った、その後上海駅からは地下鉄に乗り、ストーカーのように事前に調べておいた日本チームの宿泊するホテルまで、翌日の決勝戦に日本チームがまだ残っているのかなどの情報収集にずうずうしくも押しかけていった。
(・・・もし明日に決勝の試合が残っていたらとんでもない迷惑だなぁ)

 なにしろ同じ日本人でも、彼らは我国を代表するVIPなのだ。中年の星、山本選手は今回残念ながら不参加とのことだったが、他の若い代表に誰が選ばれたか事前の情報ではつかめなかった。日本チームがこのホテルに泊まっているという情報しかないのだ。高級ホテルのフロントの周りをウロウロすること数回。
(・・・これじゃあホントのストーカーだよ。・・・そんなとき、えっ?日本語が聞こえた・・・)

 ホテルのフロントで若い女性が通じない英語で困っていた。(超ラッキー!!・・ボクちゃん出番です)

 F場「あの、日本のナショナルチームの方ですか? どうなさいました?」(見事な紳士ぶりです)
 女性「あっ、日本人の方ですよね。良かった。こちらの方の中国語がわからなくて困っていたのです」

 F場得意の中国語で、事情を聞く、大会スタッフの中国の方が、最終日の予定表を監督に渡したいとのことだった。すかさずホテルから全ア連S監督の部屋を聞きフロントに下りてきていただくよう伝える。(・・・女子、鮮やかな対応に、超羨望のまなざし!?)

 F場「私は駐在員として中国に滞在している者で、日本アーチェリーチームの応援にきました。」
 女性「そうですか、ありがとうございます。でも残念ながらみんな負けてしまいました。
 明日の決勝戦には日本からは誰もでません。」
 F場「そうですか。それは残念でしたね。では、私が夜の上海をご案内しますからどっかでお茶で・・・・」
 (さえぎりS監督が登場)

 S監督「どうしたぁ?・・・あぁこれか」
 女性「監督ぅ、よかったぁ・・・このひと変なんですぅ(とは言ってないが)」
 (その女子選手とS監督は書類を受け取り、何事もなかったようにエレベータで部屋に戻っていった)

 ・・・日本代表、見事惨敗。リュックに忍ばせた日の丸も出番なく、ひとり残されました。

 (この物語は事実を基に、多少脚色してます・・・涙(その1終わり))


 
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